01 trail#1

今回のアルバム「Trails」には「trail」と名のついた曲が6曲あります。
直訳すると小径。

アルバムの世界へ引き込む一本目の小径は、ぼくのユーフォニアムから始まります。
毎日通る道も、歩く速さや空の色、その時の気分で景色が違って見えたりします。
「みなさんの毎日の風景に溶け込みますように」との思いを込めて演奏しました。

text by TERUKINA,Toshinori


02 散歩と冒険 / Walk and adventure

KITO,Akira Brass Band!】(KABB!)が20071023日に名古屋市「千種文化小劇場」で行ったコンサート「散歩と冒険」のために作られたコンサートのタイトルソング。(完全版の初演は200810月)

 

僕は普段、旅や日常の『散歩』の中で「見た景色」から曲を作り、出来上がった曲にタイトルをつけて…ということが多いのだけど。

コンサートのタイトルソングの場合、制作側が決めた「タイトルありき」で曲を作ることになるというパターン。

 

そうなると、どうしても自分の中でメロディに「思い入れ」があまりなかったり。「そのコンサートのために作った」というポジションからも、あまりレパートリーとして残ることがなくなっちゃう。

KABB!】でもほとんど演奏していない(おそらく4回とかかな)

そういう、中には「1回しか演奏したことない」って使い捨てみたいな曲も結構あるんですよ!

 

もったいない!

 

というわけで【CHIZ】の2014年ファーストツアーの時に「あ!これバンドでやったらカッコいいんじゃない?」とオリジナルの前半部分をバッサリカット(間奏に挿入)したアレンジにして持って行った。

…んだけど。「本番前」の軽いサウンドチェックで十分なリハーサルも出来ないので「今日はヤメとくか…」のままファーストツアーの4公演を終え。

その後のライブでも、よく考えてみりゃ【CHIZ】で「十分なリハをやる」なんてコトはないので(本番の日にしか集まらないからね)譜面はオクラ入り、一度もライブで披露したコトは無かったという…

 

また、もったいない!

 

というわけで、というわけで。今回、CDを作るにあたり珍しくレコーディング前日に「一日集中リハ」という機会があったので、そこで初めて音出しをした、というね…

つまり、アレですよ。「一度もやったことない曲なのにCDに収録するつもりでいた」という。

 

なかなか、すごい『冒険』をやったもんです。

(text by KITO,Akira)

KITO,Akira Brass Band!オリジナルバージョン

「散歩と冒険 / Walk and adventure」

2009年3月20日



03 (株)サンダル観光社 / Sandal Travel Bureau

元々は【KITO,Akira Brass Band!】(KABB!)にも参加するトロンボーン三原智行くんのリーダーバンド【Green Parade】のために作った曲。

たしか2007年の311日のバンド旗揚げライブ(当時はトロンボーン×2・バリトンサックス・ドラムの4人編成)に間に合わせたハズ。

その後、ギター・アコーディオン・ボーカルを加えた7人編成になってちょっとゴージャスなアレンジにして20112月発売のファーストアルバム「パレードをはじめよう」に収録。(試聴する←クリック)

【ゴンチチ】のチチ松村さんが気に入ってラジオでかけてくれたんだけど「ヘンなタイトルですねぇ…」と。

ですよね~

 

曲名の由来はライブのMCでなんども言ってるけどあらためて。

僕は特別な場所に旅行なんかしなくたって、日常の散歩やそれこそ毎日歩いてる道でだってなにか新しい発見はできる、と思う。

そんな「サンダル履き」でフラっと行けるような所を紹介する旅行代理店が「(株)サンダル観光社」であります!(ライブではここで拍手がくる!パチパチ!)

 

KABB!】でも200710月からレパートリーに加えていて、主メロを吹いてるのはアルトサックスの浅井雅弘くん。

実は彼、音楽の専門家ではなく美大出て写真や美術を本業としてる。

でも、彼の…なんというか「トツトツと」してるけど迷いのないストレートな演奏が【KABB!】では他の誰が吹くよりこの曲にシックリくる。

CHIZ】でそのパートを任されてるのはクラリネットの葛島さんなんだけど。

彼女は音大を院まで出て、今もオーケストラや室内楽を主な活動の場としてる…言うなれば「ガチガチのクラシック畑」のスペシャリスト。

長年、【KABB!】で浅井くんの吹く「サンダル」を耳にしてる(そして「良い」と思ってる)彼女は、この曲を「難しいですね~」といつも言う。

そういうのオモシロイ。

そうやって聴くとまたオモシロイ。

(text by KITO,Akira)

KITO,Akira Brass Band!バージョン

「(株)サンダル観光社 / Sandal Travel Bureau」

2009年3月20日

Green Parade

パレードをはじめよう

みどりくまSHOP/品番GRPD-1110

1.GREEN PARADEのテーマ
2.UE7
3.HAVI VAHLIA
4.イムグァハムケ
5.パレードをはじめよう
6.ぐるぐるマウス
7.(株)サンダル観光社
8.エピローグ


Green Parade Homepage

http://greenparade.biz/index.html



04 trail#2

この曲、作曲の鬼頭さんによれば、

元々の音づくりの方向として、
まるでクールなヒップホップを思わせるような
淡々と流れるドラムのパターンの上に、クラリネットとアコースティックギターが、
飄々と牧歌的なラインを奏でる、ようなイメージだったそう。

ところが、レコーディング直前のリハーサルで初めて実際に音を出してみたところ、

はじめは、とりあえずその元々のイメージを意識してプレイしたつもりが、
しばらく回を重ねるうちに

「よりハードでロックな感じの方が良いのでは」

ということになり、

その理想のイメージを追い求めた結果、

冒頭はいきなりギンギン歪むギターにブッ叩きドラムでまるでグランジみたく凶悪な世界、
そこにクラリネットが舞い降りてきた瞬間、悪童ギターが牧童に変わり、柔らかくひろがるユーフォとチューバも加わり実におだやかな世界

のはずが、ドラムは始めから終わりまでブッ叩きのまま。

この、何とも云えないある種ミスマッチな共存。

折々に移ろいゆくこの世界変わるもの、変わらないもの。
そこにはバランスのとれた美も、噛みあわせのマズさもあったり。

でも、それらすべての調和で成り立ってるのが、日常という景色、だったり。

聴き手のみなさまに、もし、そんなイメージが想起されるとしたら、

まさに瓢箪から駒、ジツにウレシいトコロであります(汗)
text by KONDO,Hisamine


十分な睡眠がとれていない状態のドラムの近藤さんが何度も録り直しになりながらも、

全く"攻め"の姿勢が崩れない姿に感動しました。

 

普通は何度もやるのに耐えられなくなり、安全を期した弱気な演奏になってしまうのに!

text by SAITO,Takuhito                 


05 songs!

20111114日に名古屋市「空色勾玉」で行われた【KITO,Akira Brass Band!】(KABB!)のスピンオフ企画ライブ「Songs!」にあわせて作られた曲。

その時のメンバーは葛島涼子(clarinet) 鬼頭 哲(baritone sax) 松本卓也(baritone sax)照喜名俊典(euphonium) 森田千穂(euphonium) 西本翔一(tuba)田口美郷(percussion) 山田梨紗(percussion)柳川タカシ(vocal) 斎藤拓人(guitar) トモカ(piano)

その後、大編成アレンジにして今では【KABB!】のオープニングナンバーとしてハズせない曲に。

CHIZ】でも2014年の「第2回鬼頭哲ミュージックアワー」からのレパートリー。

 

原曲には「うたのうまれるばしょ」という副題がついているんだけど。

僕はキチンとしたコンサートや海外などの大きな音楽フェスティバルに行って、そうそうたる顔ぶれの「モノスゴイ演奏」を見るよりも。

その後、街のパブやバーに行って、別に音楽家でもない普通のお客さん同士が「楽しくてしょうがなくなっちゃって」歌いだして大合唱になったりとか。路上マーケットのおばさんたちが楽しそうに歌ってる、そういうハッピーな「うたのうまれるばしょ」が好きだ。

そういう時、当然聴いたこともないような歌を「ほれ、オマエも一緒に歌えよ!」みたいな展開になるんだけどテキトーに「わ~」ってやってりゃ盛り上がる。その場にいる人がみんなハッピーになる。

(「いや、ワタシはちょっと…」なんて一番シラけるからね~!)

僕は普段音楽を「人を楽しませるもの」として関わっているけど、こういう時は心から「音楽って楽しいな」「素晴らしいな!」って思うし、その「音楽の力」をもっともっと伝えられるようになりたいと思う。


 

CHIZ】のバージョンの曲構成を考えたのは照喜名くん。原曲の前半部分をカットしてライブではタクくんの長いギターソロによるイントロが付く。

副題の「うたのうまれるばしょ」は取るようにしてる。

聴いた人に「songs!」というタイトルのインスト曲からイメージをふくらませて欲しいからなんだけど…

そうだな、【CHIZ】のバージョンには「おんがくのちから」って副題をつけるのもいいかもな。

そんな演奏になってるように思います。

(text by KITO,Akira)

KITO,Akira Brass Band!バージョン

「songs!」
2012年9月16日リハーサル風景



06 trail#3

"タクくん一人で1曲お願いします"という鬼頭さんの提案のもと、アルバムの中で唯一ギターのみで構成された曲になっています。

原曲は2014年のファーストツアーのときに書かれた「Sea of red dragonfly

 

1匹の赤とんぼが田園の上を飛んでいて、そこにたくさんの仲間が集まり、一面が赤い草原のようになり、そのまま空高く昇っていくという光景をイメージしてアレンジしてみました。

 

数回の録音を重ねているのですが、1、2回目までを録り終えた段階で、完成形のイメージを持っていないリーダーのトシさん(僕は照喜名さんをこう呼んでます)の"ん?これでいいのか?と思っているような別部屋からの不安そうな声が印象的でした。

(全て録り終わって完成の音源を聴いて安心したようです)

(text by SAITO,Takuhito)


07 新しい地図 /  Brand-new good day

新しいバンドが始動して、【CHIZ】というバンド名も決まり。ツアーの日程も決まり。

「よし!やるぞ」とウキウキしてた頃。

 

それまで【KITO,Akira Brass Band!】でやってる曲しかレパートリーになかったので、

「このバンドのためのオリジナル曲」をちゃんと作りたいと思って、歌詞も曲も一気にバババっと書き上げました。

 

せっかく「バンド」の曲ですからね、「あやかる」みたいな意味合いも込めて「世界で一番有名なバンド」のエッセンスをふんだんに取り込んだ曲にしてみたワケです!

 

…が。

まさか、世間がこんなに「パクリ疑惑」で賑わってる時にCDをリリースする事になるとは…

(text by KITO,Akira)


新しい地図 / Brand‐new good day


行き先調べて家を出よう
地図を持って旅にいこう
荷物はそんなにいらない

行くあてない冒険やめよう
帰る場所も大事にしよう
待っていてくれる人を訪ね歩く
ただそれをくり返すだけ


この街の
碁盤の目のように張りめぐらされた
すべての路地に付いている
名前の由来を君は知っているかい?

それぞれの道に込められた
名前の意味を考えて
なんどもなんどもなんども歩けば
新しい景色が見えてくるだろう


新しい自分を書き加えよう
新しい地図を作ろう



「新しい地図 / Brand‐new good day」2014 KITO,Akira all rights reserved


08 ハフンハフン / Hafun-hafun

「呑みすぎた翌日ハフンハフンになる感じ」というのがタイトルの意味だそうですが、実はよく解っておりません。

ぼくはハフンハフンにはならないなあ。。。
普段のライブではユーフォニアムで演奏したり、トロンボーンで演奏したり、その日の気分で持ち替えしています。

今回、トロンボーンでレコーディングするにあたり「昔、よく聴いていたリコ・ロドリゲスみたい吹きたいな。あの、何もしない感じで。」と思っていたのです が、レコーディングでテイクを重ねているうちにどんどん欲が出てきて、結局、リコ・ロドリゲスとはかけ離れたものになりました。

まだ若い、エゴエゴな演奏をお楽しみください。

text by TERUKINA,Toshinori

KITO,Akira Brass Band!オリジナルバージョン

「ハフンハフン / Hafun-Hafun」

feat,三原 智行(trombone)
2009年3月21日



09 trail#4

今回のアルバムの中で唯一1分にも満たないあっさりした曲でして、CD買って頂いて聞いてもらったらわかるんですが編成がギターとドラムとチューバのいわゆる「リズム隊」のみなんですよね。メロディーないんじゃないの?と思うかもしれませんが、チューバのベースラインがそのままメロになってる曲です。鬼頭さんの作る曲って多種多様のジャンルが入り交じってる感じで、それをどう料理するかというのがおもしろいと個人的に思ってるんです。リズム隊がこのアルバムでどう曲を料理してるか、そんなとこも聞いて頂いけたらうれしいですね。

text by NISHIMOTO,Shoichi


10 風光 / Sequence

KITO,Akira Brass Band!】での初演は20071216日。この曲は作った時からユーフォニアムの照喜名くんを大フィーチャーするナンバー。もちろん【CHIZ】でも。

照喜名くんがイントロのフレーズを吹いただけで、いつも荒涼とした風光がバーっと頭に浮かぶ。

 

ライブでは「なぜか?」というほど必ず(ほかの曲は全然の時でも)この曲を作ったエピソードを話す。

ロシアのシベリアに行った時、クラスノヤルスクの空港からオンボロのバスに5時間揺られて目的地に行くまでの間「ずーーーーーーーっと景色が変わらなかった」ってやつ。

ちょっとウトウトしてハッと外を見ても同じ景色!「もしかして繰り返し同じところをグルグル回ってるだけなんじゃないか?」という。それでこの曲の英題は「sequence

普通、美しい景色だとかインパクトのある光景が動機になって作るもんだろうけど、この曲は別の意味で「心動かされるもの」があって作った、という話し。

 

でも、実はそれだけではないのだ。長くなるから端折ってる話がある。

もちろん、さっき書いた「繰り返す車窓」という要素もあるんだけど。

 

バスに揺られて付いたカンスクという街で過ごした4日間は、渋さ知らズで行った2007年の48日間の旅の中で最も強烈なインパクトがあった。その時撮った写真の量を今見てもずーっと「うわ~」ってなってたのがわかる。それ以降、現在に至るまであれほどの衝撃は無かったかも知れない。

 

モスクワから同行したコーディネーターが「ここは、まんまソ連が残ってるようだ」と言った街。

建物や道路、走ってる車や街の人々。これまでもドイツやフランスといったヨーロッパの田舎街に行くことはあったけど、それとは明らかに違うなにか。

 

極めつけは街で偶然お会いした日本人の老人。18歳の時カラフトで終戦を迎え、シベリアに連れてこられ60年という。

 

9月の半ばだというのに初雪が降った(我々はその何日か前にはイタリアの南端にいて40℃なんて所から来た)ユーラシア大陸のちょうど真ん中辺りの貧しい街で人々が「繰り返してきたこと」「見てきた風光」をホテルのベッドに寝転んであれこれ想像しているうちにメロディが浮かんできたのでした。

旅から帰った心境を当時のブログに書いています(→うさぎのえさ

自分にとってあらゆる意味で「大きく心動かされる経験」がベースになった曲なのです。

(text by KITO,Akira)

KITO,Akira Brass Band!オリジナルバージョン

「風光 / Sequence」

2009年3月20日



11 国際線 / International line

どうやら、初演は2005年。

クラリネットアンサンブルでの演奏で、ぼくはその場にお客さんとしていたらしいのだけど、覚えていない。

その後、ユーフォニアムが前奏を担当する【
KITO,Akira Brass Band!】バージョンができ、あらゆるオイシイ場面で使われ、それをこの【CHIZ】バージョンが踏襲しています。
「あらゆるオイシイ場面」というのはつまり、そのライブなりコンサートなりの一番印象深い場面ということで、つまり、最も感動的な場面で使われてきたということです。

何が言いたいかと言うと「これは、自分の持ち曲であり、他の人が演奏している場面なんて記憶から消えている」ということです。

更に思い出深いのが、コンポーザー鬼頭さんドッキリ企画のこと。

都内のある公園沿いに住んでいた鬼頭さん。
裏の公園からはよく楽器を練習する音が聞こえてきたそうです。

ある日、わたくしとギターのタク君が「その楽器の音が自分の曲だったらどうだろう」というドッキリを企て、演奏したのがこの国際線です。

公園内から鬼頭さん宅近くに忍び寄り演奏、見事、ドッキリ企画大成功したのでした。

こんなエピソードを語るということはつまり「ね、ぼくの曲でしょ」と、まだ言いたいのです。

text by TERUKINA,Toshinori

KITO,Akira Brass Band!バージョン

 「国際線 / International Line」
2013年12月14日



12 trail#5

いつもライブでクラリネットの葛島さんやドラムの近藤くんが唄うのを他人事の「罰ゲーム」のように横目で見てたら、

まさかぼくにまで唄モノが回ってきた今回のレコーディングプロジェクト。


「あら!?ぼくも唄うの!?」とビックリしたのだけど「ま、いっか。」と慌てはせず。
実は昔、フォークギター片手に弾き語りやっていました。
その当時のことを思い出して?万全の準備をしてレコーディングに臨みましたがぼくは知っている。

 

ギターのタクくんが結構唄が上手いことを。

ビジュアル系バンドやってたことを。(今回のアルバムでは登場しません)

グロッケンも産まれて初めてやってみました。こどもが叩いてるみたいで可愛いよ。

text by TERUKINA,Toshinori


trail#5


みたことない音楽

きいたことない景色

さがしにいこう

地図をかたてに


「trail#5」2015 KITO,Akira all rights reserved


13 Maybe this way

ロックにもファンクにも感じさせるサウンドを、全員一丸のフルアコースティック編成で、
という、これまたこのバンドならではの一曲。

どこまでもロールする勢いのリズムを味方に
鬼頭さんの
バリサクが歌うグルーヴのの要素がこのアルバム中で一番色濃く出てカッコいい !!

ココは表立って感じられて、ジツにわかりやすいトコロ。
普通に聴かれて、そう思っていただけたなら、きっと私を含めたメンバー全員、嬉しく思います。


で、そこから
もう少しイメージを膨らませあくまでも、ドラマーとしての自分の目線から。

 この曲、基本となっているリズム、特にドラムのパターンに注意して聴くと、
この手のロックやファンクによくありがちな、スネアを叩く位置が2拍目と4拍目、
ではなく、2拍目は同じも、4拍目については、16分音符ひとつ分後ろにズラしたところにある、ということに特徴がありまして。

レコーディング前のリハーサルでは、正直このパターンに馴染めずノれず終い、で。
自分としては、レコーディング当日にはそれなりにノッて叩けるようにはなったものの、

やはり先の通りのリズムパターンの特徴に違和感を拭えぬままに
いざレコーディングに突入。

とりあえずは、短い曲ということで、基本この特徴的なパターンをキープしてのプレイよろしくそれなりに自分としてはガッツリ叩いていると、曲後半にさしかかったところ、やおらスタジオ内の隣部屋のガラス越しの向こうの照喜名さんがこちらに向かって、何やら拳を上げたりグルグル廻したり。

1
回録ったところで、照喜名さんと話してみたところ、

ボクがああやってサイン出たところから、(パターンにとらわれないで)
手数ドンドン入れて好きに叩いて盛り上げちゃって!!”

という指示が。

では、その通りに、とばかりに、
そこから数回、後半かなり奔放に叩いたカタチのを録ってみて。

そういうやり方にしたところ、前半の、特徴的なパターンをキープ、の感覚が、不思議なほどしっくりと馴染むように変わってきて、
その心地良さからの、後半の解放的かつ爽快な感じ。

このタイトルの意味って、そういうことなのかも

text by KONDO,Hisamine

 

近藤くんが散々ペラペラ解説してくれたけど、この曲については一言だけ付け加えさせて!

元々、照喜名くんのユーフォをフィーチャーした曲だったんです。

でも、録音前日に「鬼頭さんメロディ代わりません?」って言われて。

リハやってみたら、みんなも「カッコいいじゃないですか!」っていうもんだから…

 

つまりですね!自分がバリバリ目立つ「オイシイ曲」をラスト前に持ってきたとか、そういうんじゃないんです!

絶対、みなさんそう思ってるでしょ?違うんですーーーーーーーーーー!

それに、金管楽器を想定したメロディなので木管楽器のバリトンサックスで吹くの結構ムズカシイ…っていうか。

誰か特定の人が演奏することをイメージして書いた曲を他の人が演奏するのを聴くとなんかシックリ来ない(その人の技量関係なく)

ましてや、今回みたいにそれを自分で演奏するって…作曲者みずから「イメージを壊してるなぁ~」という葛藤と戦う地獄のようなレコーディングでした。

自分では「カッコいいか?」って今でも思ってます。

照喜名くんバージョンで聴いてみたい!

text by KITO,Akira


14 trail#6

いつだったか、まだtrailたちがメンバーの元にも放たれていない頃(trailたちはこのアルバムのために書き下ろされたものばかりです)突然、鬼頭さんから「キミの曲を書いたんだ」と言って送られてきたのがこの曲。
キミの曲?(そんな言い方じゃなかったかも)私についてでも熱く歌われているのかと思ったら「オマエこれ吹け」だそうで。そりゃそうか。

このアルバム全体を通して「旅」みたいだな(というか鬼頭哲の音楽だったりCHIZというバンドは)と感じていて、その最後の曲ということで「帰り道」かな。なんて勝手に想像していました。

「帰り道」ってここに来るまでのことを思い出したり、それから もう明日のことまで考えている。

そういえば、このアルバムのジャケットになっている写真ですが、レコーディングを終えて(っていっても確か録り終えてなくてはぁーってなってたところ)スタジオから出たらこの空。

ほんの一瞬のことだった。

旅先でもなんでもない名古屋の片隅でのことだけれど、忘れないなぁ。

それにしても、もう少し横顔美人の写真使えば良かったのに 合成でもなんでもないから これ、パジャマみたいな格好したまんまの私です。

text by KUZUSHIMA,Ryoko